増肉係数の補足事項

最近、増肉係数をキーワードにしてホームページを訪れる人が多いので、補足です。
これまでのエントリーは下記を参照してください。

http://kochifishnutrition.blogspot.jp/search/label/通信教育

補足したいことは、下記になります。
増肉係数といっても、よくよく計算式を見てみると内容が異なるケースがあります。
一般的には、食べた餌の量÷増えた体重=増肉係数となります。

ここで罠が一つあります。

食べた餌の量を乾燥重量で計算するか、水分を含む湿重量で計算するか、です。
学術分野では、前者を使います。
エクストルーデットペレットやドライペレットの餌だと、水分は10%未満ですので、そのまま計算しても前者に該当すると思います。
生魚を与えているケースだと、後者を使うことも多々あります。

乾燥重量で計算するか?湿重量で計算するか?がどのような差を生み出すかというと、

大西洋サーモンの増肉係数 1.2 (これは乾燥重量で計算)
もし、ペレットの餌を生餌に換算して計算してみると、生魚の水分は約7割程度です。
それに基づき湿重量で増肉係数を計算してみると、 1.2 ÷ 0.3 = 4 になります。

増肉係数は、飼料については乾燥ベースが基本ですが、現場等では混在しています。
とくに魚の場合は乾燥重量ベースの計算なのか、湿重量ベースの計算なのか、よく確認ください。

大西洋サーモンの増肉係数
飼料を乾燥重量ベースで考えると、「1.2」
飼料を湿重量ベースで考えると、「4.0」になります。

いろんな記事やブログで数字が変動する理由がこれです。
この数字を都合よく使うことで、養殖を悪く見せようとしたり、または良く見せようとしたり、といったことが起きます。
すべて同じ条件で計算してあれば良いのですが、そうでないケースも多々あります。
ややこしいですよね。お気をつけください。




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