省力化魚類養殖の最先端!

左が給餌機本体。中に配合飼料を収納します。右側はカメラ。訳あって360度カメラに。


ひとでなし研究室教員の深田です。
ひとでなし⇒人手でなし(人手がない)という意味だそうです。

当研究室は魚の世話を基本とすること、
そして私の性格が災いしてか、不人気研究室として当コースで有名になりつつあります。
噂は広がり、今では深田=いつも切れている教員となっている模様です。
(父兄やきちんとした学生には、普通、むしろ...と言われることの方が多い)
もう、それでいいです。学生が来ない方が仕事も減るので。
私とうまくやってくれる学生とで研究をどんどん進めます。

とはいっても、少ない人数で魚の世話をするのはやっぱり負担が大きいです。
ということで、昨年度、思い切って遠隔自動給餌機を購入しました。
(はじめは無料で貸与って話もあったのですが・・・)

以前から福伸電機さんでは、タイマー式の自動給餌機を製造・販売していました。
マダイの生け簀などでは必須となるくらい、多くの方が使用しています。
が、近年、この分野に多くの企業が参入してきました。
遠隔給餌(おうちからスマホで餌やり!)を可能にした給餌機が登場しています。

以前は、魚を飼育・観察することで、研究に活かそう!といった学生や、
そもそも魚を大好き!って学生が多かったので、手まき給餌にこだわっていました。
魚の行動をきちんと見ることで、いろいろ学べることは多いのです。
しかし、時代は変わり、単位さえとれれば良いという学生が増えた今、
ほとんどの飼育は私と大学院生で担当することになり、研究業務を圧迫してきました。

そんな時、自動給餌機の老舗である福伸電機さんから遠隔自動給餌機が発売される! 
という話を聞き、説明をしてもらい購入に至りました。
(本当はあと2台欲しいのですが。)

クラウド上のソフトから餌やりの時間や頻度、その量などを設定できます。
もちろん、急に餌をあげることも可能です。
今は餌を投入する速度や、餌を飛ばす距離などの調整をしつつ使っています。

魚の状態もカメラを通して、下記のようにチェックできます。
将来的には、2つの水槽の間に設置し、2つの水槽を1つのカメラでチェックします。
夜間は赤外線カメラに切り替わります(現在、調整中)。

今回は見送ったのですが、水温センサーや溶存酸素濃度センサーとも連携できるとのこと。(自発給餌センサーなどもあります)
YSIのロガーがあるので、それをどうにか繋げればとは思っています。
次回購入時には水温センサーをつけてみたいと考えています。

IoT給餌の始まりです。
たった一つの水槽の負担が減っただけでも、かなり楽になりました。
土日、夜間、緊急時に現地に行かなくてもカメラでチェックできるのは本当に助かります。

昨年度は本当に魚を飼うことを諦めようと思いました。
でも、高知大学としての特色は、温帯性の海産魚類の飼育を大規模で行えることです。
そして、それが私の研究の特色ともなっています。
院生とも相談しながら熟考し、やっぱり魚の飼育をすべき!そして研究をしたい!
でも人がいない!さてどうする!?となりました。

日本はこれから人口だけでなく、いい人材も確実に減ります。
それでも産業として魚類養殖を維持・発展するためには、機械化が必要と思っていました。
ならば、自分の研究室でそれを実践してみよう!
そしてあわよくば、研究のネタにしてしまえ!と考え、自動給餌機導入を決定しました。

人手なし(ひとでなし)の研究室、ポジティブに言い換えれば、
省力化魚類養殖の最先端とか、高効率魚類養殖の最前線の研究室とも言えます。

あと2台をどうにか購入する資金を稼ぎ、
これまで以上に飼育・分析(研究)に邁進したいと思っています。

自分でも努力しますが、企業の方、研究の委託等をお待ちしています。
今なら空きがありますのでチャンスです!
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