餌のタンパク質について

EP飼料の表示を見てみると、原料と成分が記してあります。
これらをよく見てみるといろんなことを推測できます。

たんぱく質(%)の前に「粗」という言葉がついているのをお気づきでしょうか?
この「粗」とは何でしょうか?

実は分析の際にたんぱく質そのものを測定しているわけではなく、
たんぱく質の構成成分である窒素を測定しています。

その測定値に窒素係数を乗じることによって粗たんぱく質(%)を算出しているのです。

ここに少し困ったことがおきます。
例えばアンモニアも窒素を含みます。
その他にも、たんぱく質やアミノ酸ではないのに、窒素を含む物質があります。
さらに魚が消化し、利用できない原料もあります。
それらも数値の中に含まれてしまっているのです。

そのためたんぱく質(%)ではなく、「粗」たんぱく質という表記になります。

現在、日本のルールでは表示よりも必ず数値が高いことが求められています。
ただ、その数値は「粗たんぱく質(%)」になることを覚えておいてください。

さらに、話を進めます。
粗たんぱく質(%)だけにとらわれると、
様々な原料が使用されている現在では理解が不十分になってしまいます。

そんな時にはこちらをご覧ください。
http://www.famic.go.jp/ffis/feed/kokuji/k51n756-2.html
別表第3 可消化養分総量及び代謝エネルギー
魚の値はありませんが、牛、豚、鳥のたんぱく質の消化率が記してあります。

魚粉をみてみると粗たんぱく質(%)が低くなると消化率が下がっていますね(90⇒80%程度)。
フェザーをみてみると70%前後の消化率です。

なので、例えばこんな餌があったとします。

1. 魚粉を主体とした餌で粗たんぱく質が50%,
2. フェザーミールを主体として餌で粗たんぱく質が60%。

一見、粗たんぱく質(%)の高いフェザーミールがよさそうに見えますが、
これに消化率を乗じると
1. 50 × 0.9 =45% 2. 60 × 0.7=42%と、実際に魚が使えるたんぱく質の量は逆転してしまいます。

そんな難しいことはわからん!という方でも餌の善し悪しを見つける方法があります。

それは、やはり飼育日誌をきちんとつけて、増肉係数と増肉コストを確認することです。

ペルーアンチョビが不漁との話です。
来期の餌(EP)を決める際にはこういったことも参考になるかと思います。

それでは、本年もお世話になりました。
皆様、よいお年をお迎えください。
そして良い餌選びを。








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