謹賀新年&柚子鰤王

皆様、あけましておめでとうございます。
本年もよろしく御願いいたします。

今日から仕事始めです。
学生達も帰省先から戻って、
休みぼけの体にむち打ちながら論文を書いています。

昨年内に報告しようと思いつつ、
年末年始の行事に押されてしまった柚子鰤王の香り分析です。

結果から言いますと、リモネンは検出できました。
しかしながら例年と比べますと、ピークの高さが低いです。
実際に食べてみても香りは弱いものでした。
それでも3匹中3匹とも検出できました。

その理由として出荷体制が変わったことが挙げられます。
以前は、小ロットオーダーに対応しておりましたが、
(出荷予定の魚は小さい生け簀に取り分けて、元の生け簀には給餌を続けるスタイルでした。)
今はコスト削減と生産効率化のため、年末に出荷を集中させています。

出荷前には2日間の餌止めが不可欠なのですが、
柚子鰤王は一つの生け簀で生産しているため、
年末のオーダーに対応すると、
どうして餌をあげられない期間が増えてしまいます。

餌をあげないと徐々に体の栄養素が減っていきます。
その時に香りの成分も徐々に減っていきます。
私の魚はおそらく25日取り上げの魚ではないかと思います。
これより後の出荷ですと、
よほど敏感な方でないと柚子の香りを感じる事ができなかったと思います。
生け簀を2つ使えれば良いのですが、そうなると採算がとれません。
購入頂いた方には申し訳なく思っています。

出荷日を少なくできればと思うのですが、
それはなかなか難しそうです。

香りを優先するならば、
フィレ加工して冷凍という方法もあるのかもしれません。
いずれにしても次年度も生産するなら検討をします。

柚子鰤王がこのような状態にあるなか、
とあるところで柚子鰤というものが作られているのを見つけました。
柚子鯛もあるようです。
どうも瀬戸内海で生産し、居酒屋チェーン等に卸しているようです。

真似をされるのは当たり前の業界なので、
その点は気持ちが良い物ではないですが仕方が無いとしても、
せめて柚子鰤王と誤解されないようなネーミングにしてくれれば良かったと思います。

あちらの柚子鰤がどのような製品に仕上がっているのかはわかりませんし、
一般の方には柚子鰤王だと思ってしまう方もいるでしょう。

こうやってブログで細々と正しい情報を発信するくらしかできませんが、
瀬戸内海産の柚子鰤と、東町漁協(鹿児島)の柚子鰤王は別物です。

学術界でも商売でもネタの取り合いは熾烈ですね。
できるだけオリジナルを意識した取組をしたいなと思います。


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