魚と食と健康(感想への返答)

感想を全て読みました。多くの人に最後の話が伝わったようで,安心しました。


何のために?ということを勉強でも仕事でも忘れずにがんばってください!



1.感想で一番多かったのは、コイを食用としていることに対する驚きでした。なのでコイについて取り上げます。

食用コイは、茨城県、福島県、群馬県、宮崎県、富山県、長野県などで多く養殖されています(H22年度)。

コイは海から遠い地域の貴重な動物性タンパク質として、これまで食されてきました。地域によっては祝いの席で食されたりしていたそうです。食文化には必ず背景がありますので、日本国内に限らず、海外の食文化でも理解しようという気持ちが大切です。

また、味(味覚)は経験(思い出も含む)によって大きく影響されます。海魚ばかり食べていた人にはコイは川魚臭いかもしれません。ただ、内陸の人間にはコイは親しみ深い魚で、美味しいと言う方も多いです。

物事を広く見て、文化って多彩・多様だな!と思えるようになることを願います。

私は小さい頃、コイをあらいで食べていました。高知で見るコイはあまり良い環境にいませんが、私の実家の方では綺麗な湧き水や地下水で飼育されていました(泥抜きの過程かもしれません)。なので、食べて臭かったという印象はありません。ただ、鮭の方が好きでした。その他、鮎やドジョウなども食卓によく上がっていました(コイも含めて、スーパーの鮮魚コーナーで今でも売っていると思います)。イナゴの佃煮もスーパーで売っている地域ですので、海がある県で生まれ育った人には、ショックな出来事かもしれません。海がある県の食生活は豊かだなあと今でも思います。

2.柚子の香りをついた魚を食べたいと思わないとの意見(農学部生が多かったかな)

それはそれで良いと思います。ただ、せっかく人が育てている養殖魚なので、全てを同じように作らなくても良いのかな?と思っています。人為的な感じがして嫌だ・・・というのであれば、鶏卵も同じ様に嫌でしょうか?あれも黄味の色を良くするために、企業がいろいろ工夫しています。海外で卵を買うと、黄味は薄いクリーム色です。

3.研究した物が全て成功しているので何でも効きそう?or 失敗は無いのか?

毎年、同様の質問を受けますが、表に出てきている研究成果の裏には、その何倍もの失敗の積み重ねがあります。オムニバスの授業なので、成功例だけ取り上げています。話をよく聞いていたら、それなりに苦労したのは伝わるかと思ったのですが、伝わっていないようで残念です。それと、試して駄目だったものはもちろんあります。
*研究をしているとポジティブな点とネガティブな点が出てきます。ここでどちらを研究対象にするかはその方の性質によります。私は、少々のネガティブな点は無視して、ポジティブな面を追求することが多いです。ポジティブを追求しながら、ネガティブな点を打ち消す形で研究を進めています。魚の餌の研究なので、良いところを伸ばすという感じです。その方が私は楽しく研究を進められます。






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