今回、担当した授業でいくつか質問を頂いたので、答えられる範囲で答えてみようと思います。今年の授業の印象としては、これまでより魚好き、ブリ好きが多いなあと思いました。そして血合い肉が好きだ(なぜか女性が多い)とのコメントも10人近くありました。
1回もしくは2回の授業だとどうしも言葉が足りなかったり、誤解をさせてしまうような表現をしてしまったり、早口になってしまいます。しかしながら、感想を読んでみると多くの人が、生産の苦労や流通の話、研究の話を聞いて何か感じ取ってくれたのかなと思いました。皆さん、養殖魚に限らず魚を食べる機会を増やしてみて下さい。
下記が2つの授業で頂いた質問等への回答です。
1回もしくは2回の授業だとどうしも言葉が足りなかったり、誤解をさせてしまうような表現をしてしまったり、早口になってしまいます。しかしながら、感想を読んでみると多くの人が、生産の苦労や流通の話、研究の話を聞いて何か感じ取ってくれたのかなと思いました。皆さん、養殖魚に限らず魚を食べる機会を増やしてみて下さい。
下記が2つの授業で頂いた質問等への回答です。
【魚と食と健康】
添加剤として他の農産物はあるか?
・ 高知県では「にら」の利用を希望しているようですが、今のところ検討する予定はありません。論文では、ハーブや唐辛子等を見たことがあります。
添加剤における採算性は?
・ 添加剤を使用して生産コストがあがってしまったら使用する意味がないので、開発の段階で、「添加剤の価格<添加剤によって浮くコスト」という具合になるよう考えています。なので、ショウガや竹は生産者にもよりますが、まあまあとれていると思います。柚子皮については、今期から出荷するのでその結果次第です。ユズ果汁をつかった柚子鰤王では、ぎりぎりといった所です。
廃棄物の利用では利益面でどのくらいの効果が得られるのか?
・ 対象者を廃棄物を出す側で考えた場合、これまで処分にかかっていたお金(マイナス)がプラスに転じます。(値段は業種によって様々です)。
・ 添加剤を作る人は、そこそこ原料を安く使えるので、添加剤が売れさえすれば利益は出ます。
・ 漁業者については、上記の回答を参考にしてください。
みなさんが少しずつhappyになれる選択をするようにするのが大事かと思います。
煮熟水は濃縮とかできないのか?
・ これは皆さんに指摘されますが、乾燥させたり濃縮させるとそれに相当なコストがかかってしまい、煮熟水を使うメリットがなくなってしまいます。安く濃縮させる方法が見つかればその限りではありません。
使った添加剤で魚の味は変わるのか?
・ 変わる物もあれば変わらないものも。植物系の添加剤をいれると魚臭さのマスキングになることが多いようです。ショウガはそうでした。
高知県以外の未利用資源に何があるか?
一部は利用されています。
・ 貝類の殻(ホタテ・牡蠣・アコヤガイなど)
・ イカの内臓とか魚の内臓
・ カニの殻
・ 野菜・果物の絞りかす
・ 規格外野菜
・ 豆腐のおから
・ 酒粕とか焼酎粕
どこの県でもそれなりにあると思います。ただ、未利用資源もある一定の量がコンスタントに入手できないと利用側としては難しいです。エチゼンクラゲが大発生した際にいろいろな物が開発されましたが、次の年から大発生が起きなかった・・・という事例があります。
付加価値をつけた方が養殖魚は売れるのか?
・ 同じ値段なら付加価値があった方が売れるでしょう。
・ 価値と価格のバランスがよければ、評価する人は購入するでしょう。
・ 上記以外だと、安い方が売れると思います。
食べるものによって色が変わるのはなぜか?
・食べ物から色素(天然)を摂取し、それが蓄積されればその色になります。カニやエビを多く摂取したサケは身の色が赤くなります。トウモロコシをたくさんたべると、白身の魚の身が黄色くなります。
柚子皮だけエサに使用できないのか?
・ 柚子皮だけだと肉食魚のブリはエサとして認識してくれないので、たぶん口にしません。あと栄養が足りないので、魚の健康を害する恐れがあります。
どのように発想したのか?
・ 柚子についてはのりと勢いです。ホルモン系の研究もしているのですが、そちらは理論的に計画を練って研究をしています。魚を実際に飼育しているので、その中でアイデアが浮かぶことが多いです。生き物の研究は飼ってみないとわからないことが多いです。
外国での廃棄物の利用は?
・ 魚の内臓が加熱後エサになっていたり、オリーブの搾りかすなども利用されていたと思います。
ペーストに賞味期限はあるか?
・ あります。四国総研で検索下さい。
養殖できる、できない魚はどうやって決まるのか?
・ 需要があるかないか
・ 養殖をして採算性があるか
・ 種苗(稚魚)が確実に入手できるか
・ 育成する場所があるか(大型魚には大きな生け簀が必要)
そのほかにもあると思いますが、このくらいをあげておきます。
水槽の水になにか添加できないのか?
・養殖魚の多くは金魚の様に止水で飼育していません。流水条件で飼育しています。なので水に添加しても直ぐに流れ出てしまうのでもったいないだけです。
小魚を養殖することで漁業に貢献できないか?
・そのうちそのような需要がでてくるかもしれません。小魚を養殖して、それを大型の養殖魚にあげるというのも出てくるかも?
失敗したことは無いのか?
・ 竹もショウガも試行錯誤しています。改良して得られたデータだけを授業には使っています。
【環食同源論】
モイストペレットは柔らかいの?
・ 柔らかいです
オリーブ牛はしっていますか?
・ 知っています。ケーブルテレビで見ました。牛は稲わらを食べて育ったバニラ香がする土佐あか牛がおいしいと思っています。
Facebookで検索したけど上手く出てこなかった
・ さつま黒酢ぶり で検索してみて下さい。その他たくさんの養殖業者さんが生産の様子や販売の取組をupしていますので、友達つながりで探してみてはどうでしょうか。
見た目より栄養価の方が大事では?(留学生より)
・ 見た目を大事にするのが日本人の特徴です。魚を生でたべるので、色合い等はやっぱり気になるんです。
柑橘類ならどれも同じような効果が期待できるのか・
・ これは愛媛県の研究所でいろいろと試したようです。抗酸化効果はどの柑橘類でもそこそこ確認できましたが、一番強いのは柚子だったと記憶しています。
エサを工夫してマグロの身をもったイワシを作るのは無理か?
・ たぶん無理かと・・・。それならマグロの生産技術を上げればいいと思います。
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